ChantoBit

Webシステム開発を成功に導くプログラミング言語の選び方とは?システム開発Tips2023年12月13日

1. はじめに

こんにちは。今回は、Webシステム開発を成功に導くプログラミング言語の選び方について詳しく解説していきます。

Webシステムの開発では、プロジェクトの目的や要件に合わせて適切な言語を選ぶことが非常に重要です。使用する言語によって、開発の効率や保守性、拡張性などが大きく変わってくるからです。

しかし、プログラミング言語は多種多様であり、それぞれに特徴があるため、初心者にとっては選択に迷ってしまうこともあるでしょう。

そこで本記事では、Webシステム開発に適した言語の特徴や選定基準を解説し、人気の言語を具体的に紹介します。また、実際の開発事例も交えながら、言語選択のポイントを分かりやすく説明していきます。

これからWebシステム開発に挑戦する方はもちろん、既に開発に携わっている方にも役立つ情報が満載です。ぜひ最後までご覧ください。

2. Webシステム開発とは

Webシステム開発とは、インターネット上で動作するソフトウェアやアプリケーションを作成することです。企業の業務効率化を図るための社内システムから、不特定多数のユーザーに向けたWebサービスまで、その対象は実に様々です。

では、Webシステムを開発する上で重要なポイントは何でしょうか。それは、綿密な計画に基づいて適切な技術を選択し、効率的に開発を進めていくことです。

以下では、Webシステムの基本的な構造や開発プロセスを解説し、求められるシステムの特徴について詳しく見ていきましょう。

2.1. Webシステムの基本的な構造

Webシステムの多くは、以下の3つの層から構成されています。

  • フロントエンド(クライアントサイド)
  • バックエンド(サーバーサイド)
  • データベース

フロントエンドは、ユーザーが直接操作する画面部分を指します。HTMLやCSSでデザインを整え、JavaScriptを使ってインタラクティブな動きを付けるのが一般的です。

一方、バックエンドは、サーバー上で動作するプログラムのことです。フロントエンドから受け取ったリクエストに応じて、データの処理や保存、外部サービスとの連携などを行います。バックエンドの開発には、Python、Ruby、PHPといった言語がよく使われています。

これらのフロントエンドとバックエンドは、データベースを介して情報をやり取りします。データベースには、ユーザー情報や投稿内容、商品の在庫状況など、サービスに必要なデータが格納されています。

Webシステム開発では、これら3つの層を連携させて一つのサービスを作り上げるため、それぞれに適した言語やツールを使い分ける必要があります。

2.2. 開発プロセスの概要

続いて、Webシステム開発の一般的なプロセスを見ていきましょう。

開発は通常、以下のような流れで進められます。

  1. 要件定義
  2. 設計
  3. 実装
  4. テスト
  5. リリース
  6. 運用・保守

まず、クライアントとの打ち合わせを通じて、システムに求める機能や性能をまとめた要件定義を行います。次に、要件を満たすための設計を練り、実際にプログラミングを行っていきます。

開発したシステムは、念入りなテストを経てリリースされます。リリース後も、ユーザーの反響を見ながら継続的に改善を行うことが重要です。

これらの一連のプロセスを円滑に進めるためには、チーム内での意思疎通や、進捗管理ツールの活用が欠かせません。アジャイル開発手法を取り入れている企業も増えてきており、柔軟かつスピーディーな開発が求められています。

2.3. 求められるシステムの種類と特徴

Webシステムには、用途に応じて様々な種類があります。代表的なものをいくつか紹介しましょう。

  • ECサイト
  • 会員制サービス
  • 企業向けの業務システム
  • 情報配信サイト

ECサイトの場合は、商品の検索機能や決済機能の充実が重要になります。また、大量のトラフィックにも耐えられるようにサーバーを設計する必要があります。

会員制サービスでは、ユーザー管理機能や、コミュニティ機能の実装が求められます。ユーザー同士のコミュニケーションを活性化させるため、フォーラムやメッセージ機能などを用意するのが一般的です。

企業向けの業務システムでは、セキュリティの高さと使いやすさの両立が重要なポイントになります。機密情報を扱うことも多いため、アクセス制御や暗号化通信など、セキュリティ対策を十分に施す必要があります。

また、情報配信サイトの場合は、更新頻度の高いコンテンツを効率的に管理できるCMS(コンテンツマネジメントシステム)の導入が欠かせません。

このように、Webシステムの種類によって求められる機能は異なります。開発する際は、クライアントの業態や利用シーンをしっかりとヒアリングし、最適なシステム設計を心がけましょう。

3. プログラミング言語の役割と重要性

Webシステム開発において、プログラミング言語は極めて重要な役割を果たします。

プログラミング言語は、人間とコンピュータとの間を取り持つ「通訳」のようなものです。私たちが思い描いた処理をプログラムとしてコンピュータに伝え、目的の機能を実現してもらうためには、適切な言語を使う必要があります。

世の中には、実に様々なプログラミング言語が存在しています。それぞれの言語には得意な分野があり、使い勝手や習得難易度も異なります。

Webシステムを開発する際は、以下のような観点から最適な言語を選定することが求められます。

  • 開発するシステムの特性に適しているか
  • 言語の習得難易度と開発効率のバランスが取れているか
  • ライブラリやフレームワークが充実しているか
  • 大規模な開発にも耐えうる設計になっているか

これらを踏まえて適切な言語を選ぶことで、開発の生産性を高め、保守性の高いシステムを構築することができるでしょう。

以下では、Webシステム開発でよく使われるプログラミング言語の特徴を詳しく解説していきます。

3.1. プログラミング言語の種類

プログラミング言語には、大きく分けて以下のような種類があります。

  • 手続き型言語
  • オブジェクト指向言語
  • 関数型言語
  • スクリプト言語

手続き型言語は、C言語に代表されるような古典的な言語です。処理の手順をステップバイステップで記述するのが特徴で、実行速度が速いのが強みです。

一方、オブジェクト指向言語は、JavaやC++などが該当します。プログラムを「オブジェクト」と呼ばれる部品の集まりとしてとらえ、それぞれのオブジェクトに処理を任せることで、柔軟で再利用性の高いプログラムを作ることができます。

関数型言語は、HaskellやScalaなどが代表例です。プログラムを「関数」の組み合わせとして表現するのが特徴で、ミュータブルな状態を持たないことから、バグの少ないコードを書きやすいと言われています。

最後に、スクリプト言語は、PHPやRuby、Pythonなどが該当します。手軽に記述でき、実行速度も比較的速いのが魅力です。Webサービスの開発でも広く利用されています。

これらの言語は、それぞれに長所と短所があります。開発するシステムの特性を見極めて、適切な言語を選ぶことが肝要です。

3.2. 各言語の特徴と用途

以下の表は、代表的なプログラミング言語の特徴と用途をまとめたものです。

言語

特徴

用途

JavaScript

Webブラウザ上で動作するスクリプト言語

Webサイトの動的な機能の実装

Python

シンプルで学習コストが低い汎用言語

Web開発、機械学習、データ解析など

Java

高い可搬性と実行速度を誇るオブジェクト指向言語

大規模なWebサービスやアプリケーション開発

PHP

Web開発に特化したサーバーサイド言語

CMSの開発、APIの実装など

Ruby

生産性の高いオブジェクト指向スクリプト言語

Webアプリケーションフレームワークの代表格である「Ruby on Rails」の開発に使用

表を見ると分かる通り、言語ごとに得意な分野があります。 例えば、Javascriptはフロントエンド開発に欠かせない言語ですし、PythonはAI開発やデータ分析でも人気が高くなっています。

これらの特性を理解した上で、自分の開発するシステムに適した言語を選ぶことが重要です。

3.3. 成功するWebシステムに求められる言語の特性

では、Webシステム開発で成功するために、プログラミング言語に求められる特性とは何でしょうか。

以下のような点が挙げられます。

  • 優れた生産性と実行速度
  • 充実したライブラリ・フレームワーク
  • セキュアなコードが書きやすい
  • 習得難易度とコミュニティの充実度

特に生産性の高さは、現代のWebサービス開発に欠かせない要素です。 技術の進歩が早いWeb業界では、いかに短期間で質の高いシステムを構築できるかが、ビジネスの成否を分けると言っても過言ではありません。

その点では、Ruby on Railsに代表されるようなフルスタックなフレームワークが人気を集めています。豊富なライブラリを組み合わせることで、少ないコード量で多くの機能を実装できるのが魅力です。

一方で、システムの規模が大きくなるにつれて、実行速度の高さも重要になってきます。メモリ効率が高く、大量のトラフィックにも耐えられる言語を選ぶ必要があるでしょう。

加えて、セキュリティの高さも大切な要素の一つです。オープンソースのライブラリを使う場合は、脆弱性の有無をしっかりとチェックすることが求められます。

最後に、言語の習得難易度と開発者コミュニティの充実度も見逃せないポイントです。言語の学習コストが低く、質問しやすいコミュニティがあると、開発がスムーズに進むでしょう。

以上のような特性を踏まえ、自社の開発リソースや求めるシステム像に合わせて言語を選定していくことが肝要です。

4. 適切なプログラミング言語の選び方

前章では、プログラミング言語に求められる特性について解説してきました。

本章では、より具体的に、どのようなプロセスで言語を選定していけばよいのかを見ていきましょう。

言語選定のポイントは、以下の3つに集約されます。

  1. プロジェクトの目的と要件を明確にする
  2. 言語の特性を評価し、適切なものを選ぶ
  3. ライブラリやフレームワークの充実度をチェックする

以下、順を追って解説します。

4.1. プロジェクトの目的と要件定義

まず大切なのは、プロジェクトの目的を明確にしておくことです。

作るシステムは、どのようなユーザーに向けたものなのか。どんな機能を実現し、どのような価値を提供するのか。

これらの点を関係者で共有し、要件としてまとめておくことが肝要です。要件定義が曖昧だと、開発の後半になって大幅な仕様変更が発生し、工数が予想以上にかかってしまう恐れがあります。

以下のように、要件定義のプロセスを細分化して考えてみましょう。

4.1.1. 目的の明確化

  • システムの利用目的は何か
  • 提供する中核の価値は何か
  • 利用者のペルソナ像を定める

システム開発の目的を1つの文章で表現できるようにしておくと、関係者の認識を合わせやすくなります。

また、システムを利用するユーザー像を具体的にイメージできるようにしておくことも大切です。ペルソナを定め、利用シーンを想定することで、必要な機能がより明確になるでしょう。

4.1.2. 機能要件の洗い出し

  • システムに必要な機能をリストアップする
  • 優先順位をつけ、MVP(Minimum Viable Product)の範囲を定める
  • 非機能要件(セキュリティ、パフォーマンスなど)も整理する

機能要件は、システムに求める機能を漏れなく列挙したものです。ユーザーの利用シーンを想定しながら、現実的な粒度で機能を書き出していきましょう。

その際、リリース時に最低限必要な機能を「MVP」として定義しておくことが肝要です。優先度の低い機能は、後のバージョンアップで追加していくという方針を立てておくと、スケジュール管理がしやすくなります。

加えて、機能要件だけでなく、非機能要件も整理しておく必要があります。セキュリティ面での要求事項や、応答速度の目標値など、開発者が留意すべき点を書き出しておきましょう。

4.1.3. システム特性を考慮した要件定義

  • システムにおける重要な特性(可用性、拡張性など)を整理する
  • 特性に応じて、言語選定の優先順位を付ける

Webシステムには、可用性や拡張性など、重視すべき特性があります。これらの特性は、システムの種類によって重要度が異なります。

たとえばECサイトであれば、大量トラフィックへの対応が求められるため、スケーラビリティの高い言語を選ぶ必要があります。

また、長期運用を想定したシステムであれば、保守性の高さも重要な要素になるでしょう。

システムの特性を整理し、言語選定の指標としてまとめておくことが肝要です。

4.2. 言語の特性評価と選定

次に、要件定義を踏まえ、言語の特性を評価していきましょう。

評価の観点は、以下の3つに整理できます。

  • 言語のパフォーマンスと開発効率
  • 言語の習得難易度と社内リソース
  • フレームワークの充実度と将来性

これらの観点から言語を比較し、自社のプロジェクトに最適なものを選定していくことが重要です。

4.2.1. 言語のパフォーマンスと開発効率

  • 言語の実行速度と生産性を評価する
  • 並行処理やイベント駆動などの機能を備えているか

Webシステムに求められるのは、高いパフォーマンスと開発効率です。その点で、言語の実行速度は重要な指標の1つと言えるでしょう。

一般的に、コンパイル言語の実行速度は高速です。C言語やGoなどがその代表例です。

一方で、Ruby on RailsのようなフルスタックWebフレームワークを備えた言語は、開発の生産性が高いのが特長です。MVCに沿った設計思想は、保守性の高いコードを書くのにも一役買ってくれます。

また、Node.jsのように、イベント駆動のノンブロッキングI/Oをサポートしている言語もあります。並行処理を得意とするため、大量リクエストへの対応が必要なシステムに適しているでしょう。

4.2.2. 言語の習得難易度と社内リソース

  • 開発メンバーのスキルセットを考慮する
  • 研修コストと習得期間を想定する

実際の開発では、開発メンバーのスキルセットを考慮に入れる必要があります。

例えば、Pythonのような習得コストの低い言語であれば、幅広い層の開発者を起用できるでしょう。

一方、Scalaのような関数型言語は、学習コストが高い傾向にあります。導入する際は、研修期間を十分に設けるなど、計画的な準備が求められます。

自社の人的リソースを見極め、チームの生産性を最大化できる言語を選ぶことが肝要です。

4.2.3. フレームワークの充実度と将来性

  • フレームワークのエコシステムを評価する
  • コミュニティの活発さと今後の発展性をチェックする

言語選定で見逃せないのが、フレームワークの充実度です。優れたフレームワークは、開発の生産性を大きく左右します。

特に、Webアプリケーションフレームワークの代表格であるRuby on RailsやDjangoなどは、豊富なライブラリ群を持つことで知られています。定型的な処理をサクサク実装できるのが魅力です。

また、JavaScriptのようなマルチパラダイム言語では、サーバーサイド、フロントエンドの両方で活用できるフレームワークが用意されています。

加えて、フレームワークの将来性も重要な観点です。言語のバージョンアップに追従し、継続的にアップデートされるフレームワークを選ぶことが望ましいでしょう。

コミュニティの活発さも、判断材料の1つになります。GitHubのスター数やIssueの数などから、開発の盛り上がりをうかがい知ることができるでしょう。

4.3. ユースケースに合わせた言語選択

ここまでは、言語選定の一般的な考え方を解説してきました。

最後に、代表的なユースケースを取り上げ、それぞれに適した言語の選び方を見ていきましょう。

4.3.1. 複雑なビジネスロジックを含むWebサービス

  • 豊富なライブラリを持つ言語を選ぶ
  • 保守性と可読性の高さも重視する

複雑なビジネスロジックを含むWebサービスを開発する際は、ソースコードの保守性が何より大切です。

Javaのような厳格な型システムを持つ言語は、バグの混入を防ぎやすいというメリットがあります。Springフレームワークの採用で、さらに開発効率を高められるでしょう。

また、PythonやRubyのような動的型付け言語も、豊富なライブラリを持つことから人気です。フレームワークとの連携で、高い生産性を実現できます。

ただし、動的型付けのコードは、規模が大きくなると保守コストが増大する傾向にあります。型ヒントの活用など、何らかの工夫が必要になるでしょう。

4.3.2. スピード重視のサービス開発

  • 習得コストと開発効率のバランスを取る
  • 必要に応じて、複数言語を組み合わせる

スピード重視のサービス開発では、短期間で機能を実装し、市場の反応を見ながら改善を繰り返していくことが求められます。

この場合は、開発メンバーの習熟度が高い言語を選ぶのが得策と言えるでしょう。例えば、PHPやRubyは、学習コストが低く、Webサービス開発の実績も豊富です。

また、複数の言語を組み合わせる方法もあります。

システムの根幹となるサーバーサイドはJavaで固め、アプリケーション層はPythonやRubyで素早く開発するなど、言語の特性を使い分けることで、開発効率を最大化できるでしょう。

4.3.3. 大規模システムの開発

  • 並行処理や非同期処理を得意とする言語を選ぶ
  • マイクロサービスアーキテクチャを採用する

大規模システムの開発では、スケーラビリティの高さが何より重要です。

その点で、Go言語やErlangのような並行処理を得意とする言語は、有力な選択肢と言えるでしょう。軽量のスレッドを大量に立ち上げられるため、大量トラフィックにも耐えられます。

Node.jsのような非同期処理を前提とした言語も、高いパフォーマンスを発揮します。イベント駆動のアーキテクチャは、スケールアウトに適しているのが特長です。

また、マイクロサービスアーキテクチャの採用も検討に値します。システムを小さなサービス群に分割し、それぞれを最適な言語で実装することで、柔軟なスケーリングが可能になるでしょう。

5. 人気のプログラミング言語紹介

前章では、プログラミング言語の選定方法について解説してきました。

本章では、より具体的に、Webシステム開発でよく使われる言語を紹介していきます。それぞれの言語の特徴と、代表的なフレームワークを取り上げていきましょう。

5.1. JavaScriptとそのフレームワーク

JavaScriptは、Webブラウザ上で動作するプログラミング言語です。マルチパラダイムの言語で、オブジェクト指向、関数型、イベント駆動など、様々なスタイルでの開発が可能です。

フロントエンド開発では不動の地位を築いており、jQueryやReact、Vue.jsといったライブラリ/フレームワークが広く使われています。

また、Node.jsの登場により、サーバーサイド開発にも進出しました。Express.jsを始めとするWebアプリケーションフレームワークが人気を集めています。

ユニバーサルJavaScriptの概念のもと、フロントエンドとバックエンドを統一的に開発できるのが魅力です。シングルページアプリケーション(SPA)の開発などで威力を発揮するでしょう。

JavaScriptの強みは、何といっても豊富なライブラリ/フレームワークの存在です。npm(Node Package Manager)を使えば、世界中の開発者が公開したパッケージを簡単に導入できます。

この膨大なエコシステムが、JavaScriptの生産性を支えていると言っても過言ではありません。

5.2. Pythonの可読性とシステム開発での役割

Pythonは、シンプルで読みやすいコードを書けるのが特長の言語です。動的型付けを採用し、インデントでブロックを表現するユニークな文法を持っています。

もともとは、システム管理用のスクリプト言語として開発されました。しかし現在では、Webアプリケーションの開発にも広く使われるようになっています。

特に、機械学習やデータ解析の分野で人気が高いのが特徴的です。NumPyやSciPy、Pandasといった強力なライブラリを活用し、高度な計算処理を行うことができます。

Webフレームワークとしては、DjangoとFlaskが2大巨頭と言えるでしょう。

Djangoは、バッテリー同梱を旨とするフルスタックフレームワークです。必要な機能が一通り揃っているため、初学者でも躓きにくいのが魅力です。

一方、Flaskは、より柔軟性の高いマイクロフレームワークです。必要最小限の機能だけを持ち、あとは開発者が自由に機能を追加していく思想のもと設計されています。

用途に応じて、使い分けていくのが賢明でしょう。

5.3. Javaと.NETの比較と使い分け

JavaとC#は、いずれも大規模システムの開発に用いられるオブジェクト指向言語です。

Javaは、Sun Microsystemsが開発したクロスプラットフォームの言語です。豊富なライブラリ群と、堅牢なフレームワークが特長です。

企業の基幹システムから、モバイルアプリ、組み込みシステムまで、幅広い分野で採用されてきました。Springフレームワークは、DI(Dependency Injection)の概念を導入し、疎結合なシステム開発を可能にします。

一方、C#は、Microsoftが開発した言語で、.NET Frameworkと密接に結びついています。

C#も、Javaと同様にオブジェクト指向プログラミングに適した言語設計がなされています。LINQ(Language Integrated Query)など、言語レベルでの強力な機能を持つのが特徴的です。

.NET Frameworkは、WindowsでのGUIアプリケーション開発から、Azureを使ったクラウドサービスの構築まで、様々な用途に対応しています。

Javaと.NETは、長年にわたって切磋琢磨してきただけあって、甲乙つけがたい優れた言語体系と言えるでしょう。自社の環境や、開発するシステムの特性を見極めて、適切な言語を選ぶことが肝要です。

5.4. PHP、Ruby、Goなどの言語のニッチな利点

ここまでは、メジャーなプログラミング言語を取り上げてきました。

最後に、より専門的な分野で活躍する言語を紹介しましょう。

PHPは、Web開発の現場で長らく使われてきたサーバーサイド言語です。CMSの開発などで手軽に使えるのが魅力です。

特に、WordPressに代表されるようなオープンソースCMSの多くがPHPで書かれています。PHPの習得は、そうしたCMSのカスタマイズやプラグイン開発に役立つはずです。

Rubyは、「プログラマーの幸せ」を追求したオブジェクト指向言語です。洗練された文法は、宝石のようにキラキラと輝いています。

Rubyの代名詞とも言えるのが、WebアプリケーションフレームワークのRuby on Railsです。「規約over設定」の思想のもと、생산性の高い開発が可能になっています。

スタートアップ企業を中心に、新しいWebサービスを素早くリリースするのに向いているでしょう。

最後に、Googleが開発したGo言語を紹介します。

Goは、シンプルな文法と、並行処理に適した言語仕様を持つのが特徴です。クラウドインフラの構築などで、存在感を増しつつあります。

マイクロサービスアーキテクチャとの相性も抜群で、Dockerなどのコンテナ技術との連携も容易です。

今後は、Kubernetes上でのシステム開発などで、ますます採用が広がっていくことでしょう。

以上、4つの言語を紹介してきました。

それぞれに得意な分野があり、適材適所で活用することが重要です。多様な言語を組み合わせ、プロジェクトを成功に導いていきましょう。

6. 実際の開発事例

これまでは、プログラミング言語選定の考え方や、各言語の特徴について解説してきました。

本章では、より具体的に、実際のWebシステム開発の事例を取り上げていきます。様々な業種・業態の開発プロジェクトを紹介し、そこで選定された言語や直面した課題を分析していきましょう。

実践的な知見は、読者の皆さんにとって、大いに参考になるはずです。

6.1. 成功したWebシステムの事例紹介

まずは、成功裏に終わったWebシステムの事例をいくつか取り上げてみましょう。

事例1: 大手ECサイトのリニューアルプロジェクト

某大手ECサイトでは、サービス開始から10年が経過し、古いシステム構成が足かせとなっていました。

そこで決断されたのが、刷新プロジェクトです。

フロントエンドには、Reactを採用。コンポーネント指向により、UI設計の生産性を大きく向上させました。

バックエンドでは、マイクロサービスアーキテクチャを導入。Goで書かれた多数のサービスが、Kubernetes上で稼働しています。

結果として、ページ表示の高速化と、機能追加の柔軟性を両立することに成功。ユーザー満足度の向上と、システム開発の効率化を実現しました。

事例2: 製造業向け在庫管理システム

ある製造業では、複数の工場をまたいだ在庫管理が課題となっていました。

そこで導入されたのが、クラウド型の在庫管理システムです。

開発言語としては、Javaが選ばれました。Springフレームワークの採用により、堅牢なシステム構築が可能になりました。

データベースには、ホットスタンバイ構成のPostgreSQLを採用。高い可用性を実現しています。

工場をまたいだ在庫の一元管理により、生産計画の立案や、資材の調達がスムーズになりました。

事例3: 人材紹介サービスのWebアプリケーション

人材紹介サービスを展開するD社では、求職者と企業のマッチングの最適化が喫緊の課題でした。

そこで開発されたのが、Pythonで書かれたレコメンドエンジンです。

機械学習によって、求職者のスキルと、企業の求人内容を分析。最適なマッチングを提案するシステムを構築しました。

Webアプリケーションフレームワークとしては、Djangoを採用。機械学習ライブラリとの親和性の高さが決め手となりました。

新システムの導入により、求職者の満足度の向上と、企業の採用コストの削減を実現。同社のビジネスは順調に拡大しています。

6.2. 使用された言語とその理由

次に、それぞれの事例で選択されたプログラミング言語を振り返り、その理由を考察してみましょう。

事例1: ECサイトのフロントエンド開発にReactを採用

ECサイトのフロントエンド開発では、Reactが採用されました。

Reactは、Facebookが開発したJavaScriptのライブラリです。仮想DOMによる高速な描画が特徴で、大規模なアプリケーションの開発に適しています。

コンポーネントベースの設計は、再利用性が高く、生産性の向上にも寄与します。

Webパフォーマンスの追求と、開発の効率化の両立が、Reactを選んだ大きな理由でしょう。

事例1: ECサイトのバックエンド開発にGoを採用

同じくECサイトのバックエンド開発では、Goが採用されています。

Goは、シンプルな文法とスピーディーなコンパイルが特徴の言語です。並行処理に適した言語設計になっており、大量リクエストの処理にも適しています。

マイクロサービス化されたシステムでは、多数のサービスを連携させる必要があります。その際、Goの軽量さとスピード感は、大きな武器になったはずです。

事例2: 在庫管理システムにJavaを採用

製造業向けの在庫管理システムでは、Javaが採用されました。

Javaは、長年にわたって企業のシステム開発で採用されてきた実績があります。豊富なライブラリと、充実したエコシステムは、大規模システムの構築に持ってこいです。

Springフレームワークを使えば、DIによる疎結合設計も可能。保守性に優れたシステムを構築できます。

また、Javaは、クラウドサービスとの親和性も高いのが魅力です。AWS、GCPといった主要クラウドで、Javaのサポートが手厚いのも選定の理由の1つだったのかもしれません。

事例3: 人材紹介サービスにPythonを採用

人材紹介サービスのレコメンドエンジン開発では、Pythonが採用されています。

Pythonは、シンプルで書きやすい文法が特徴の言語です。データサイエンスやマシンラーニングのライブラリが充実しており、これらの分野での利用が広がっています。

レコメンドエンジンの開発では、言語の習得コストを下げつつ、高度なアルゴリズムを実装する必要があります。その意味で、Pythonは最適な選択だったと言えるでしょう。

Djangoの採用により、Webアプリケーションとしての機能も不足なくカバー。データサイエンスの知見を、サービスに素早く落とし込むことに成功しています。

6.3. 開発上の課題と克服した点

最後に、それぞれの開発事例で直面した課題と、それをどのように克服したかを見ていきましょう。

事例1: レガシーシステムからの移行の難しさ

ECサイトのリニューアルでは、レガシーシステムからの移行が大きな課題でした。

古いシステムは、単一のモノリシックな構成になっており、部分的な改修が難しい状態でした。

そこでとった戦略が、マイクロサービス化です。システムを小さな単位に分割し、1つずつ置き換えていくことで、リスクを最小化しました。

移行期間中は、新旧のシステムを並行して運用。APIを介して、データの同期を取りながら、徐々に切り替えていきました。

事例2: 複数拠点をまたいだデータ管理の難しさ

在庫管理システムの開発では、複数の工場をまたいだデータ管理が課題となりました。

リアルタイムに近い形で、在庫情報を同期する必要があったためです。

この課題に対しては、**eventual consistency(結果整合性)**モデルを採用することで対処しました。

各工場のデータは、非同期的にクラウドのデータベースに反映。多少のタイムラグは許容しつつ、最終的には全体で整合性の取れたデータを保持する設計としたのです。

事例3: 機械学習モデルの運用の難しさ

人材紹介サービスでは、機械学習モデルの運用が課題となりました。

サービス公開後も、継続的にモデルを改善し、推薦精度を高めていく必要があったためです。

この課題に対しては、**MLOps(機械学習の運用)**の考え方を導入。データの収集、前処理、モデルの学習、評価、デプロイを、パイプライン化することで、継続的な改善を可能にしました。

さらに、A/Bテストの仕組みも取り入れ、複数のモデルを並行して評価。より精度の高いモデルを選択的に採用することで、推薦精度の向上を実現したのです。

7. まとめ

ここまで、Webシステム開発に適したプログラミング言語の選定方法について解説してきました。

本記事のポイントをおさらいしておきましょう。

  • プログラミング言語は、Webシステム開発の成功を左右する重要な要素
  • 言語選定では、開発するシステムの特性を考慮することが肝要
  • 言語のパフォーマンスや生産性、習得コスト、エコシステムの充実度などを総合的に評価
  • 要件に合わせて、適材適所で言語を選定することが重要
  • 言語ごとに得意な分野があり、複数の言語を組み合わせることも有効

開発事例を見ても分かる通り、言語選定は千差万別です。

シンプルな銀の弾丸はありません。プロジェクトごとに、最適解を見出していく必要があるのです。

とはいえ、本記事で解説した考え方は、きっと皆さんの指針になるはずです。

言語選定の際は、ぜひ参考にしてみてください。適切な言語を選ぶことで、開発プロジェクトの成功を手繰り寄せることができるでしょう。

Webシステム開発の世界は、日進月歩です。新しい言語やフレームワークが、次々と登場しています。

そうした最新動向にも、常にアンテナを張っておく必要があります。

本記事が、皆さんのWebシステム開発の一助となれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

CONTACT

弊社にご興味をお持ちいただき、誠にありがとうございます。
ご依頼やご相談、サービスについてのご質問がございましたら
以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。

microsoftdisquspeatixperaichilit.linklinktr.ee